関東連合産婦科人科学会は首都圏を中心とした地域において6,000名を超える会員を有し、その規模は海外における一国の産科婦人科学会に匹敵します。交通・移動の手段が今ほど便利でなかった時代には、都道府県学会、連合地方学会、全国学会の位置づけは主として地理的な制限に起因していたと思います。現在はこのような制限はますます少なくなり、ともすれば専門分野間の垣根が地理的な垣根より高くなっている部分もあるのではないでしょうか。様々な意味において時代の転換期における今、巨大な能力と活力を秘めた本学会の意義を会員の皆様とともに改めて見直し、今後の発展に向けて邁進したいと考えております。本学会は数年前には財政が危機的状況にありましたが、執行部と会員の相互の協力と努力により危機を乗り越え、さらなる発展への基盤が強化されています。
関東連合産科婦科人科学会が取り組むべき課題は多々ありますが主な課題を以下に挙げます。まず喫緊の仮題として、地域格差に関する問題があります。この点に関しては専攻医配置に対して調整が行われる可能性があります。研修格差なく地域格差を適正化するために、関東連合として専攻医等の教育を向上させる必要があると考えています。次に、学術・診療の向上に貢献する必要があります。関東連合はこれまでも研究助成をしていますが、次世代の産科婦人科を担う会員の学術活動をさらに支援したいと考えています。最後にグローバル化ならびにダイバーシティへの対応も重要です。関東連合の地域は首都と主要な国際空港を有し、今後日本の中で最も国際化に直面することになります。国際化に対応する多様性のある学会活動を弾力的に展開していく時代の要請を感じております。
いろいろと課題はございますが、私はまだまだ浅学非才の身であります。是非とも皆様の忌憚ないご意見をいただくと共にお知恵を拝借し、本学会の発展のために力を合わせて参りたいと存じております。どうぞよろしくお願いいたします。
令和元年6月
一般社団法人関東連合産科婦人科学会
代表 大須賀 穣
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